最近雨の日が多い。雨の日に電車に乗ると、先日の出来事をふと思い出す。
その日は雨の中の通勤で、傘を持って電車に乗り込んだ。停車駅に近づき、運良くボクの前の席が空いて座ろうとしたとたん、思いっきり強く腕を引っ張られた。 なんと、電車を降りようとしている女性の何かにボクの傘がひっかかっているではないか。傘をとめていたバンドもその勢いで外れてしまった。 しかし、女性の方は気がつかずに電車を降りようとしている。ボクはあわてて引っ張り返すと、女性はようやく気がついた。そしてよく見ると、女性が持っているバックのチャックに、ボクの傘の端っこが引っかかっている。しかもチャックの金具に傘の布が見事に絡み付いていて、少し引っ張っただけでは簡単にとれない。一瞬すれ違っただけなのに、こんなことが起きるなんて……。 ボクは正直動揺した。もたもたしていると電車は停車駅を出発してしまい、女性は車内に置いてきぼりになってしまう。焦ったボクは、傘の布が引きちぎれてもいいから思い切って引っ張りとるか、一旦電車を降りるしかないと心に決めた。しかし女性の方は冷静だった。“知恵の輪”のように絡み付いた傘の布をスルスルと解いて見せ、女性はそのまま何事もなかったかのように電車を降りていったのだ。傘に少しだけ小さい穴が空いてしまったが、このハプニングは最小限の結果に収まった。 毎日なにげなく生活を送っているだけでも、思ってもいないことが起こるもの。今回の出来事だって、きっと天文学的な確率に違いない。しかし未来の事は誰にも分からない。そう、「自分の身に何が起きても不思議ではない」という心構えが必要なのだ。 皆さんもどうぞお気をつけください。
by tara-ex
| 2006-04-15 21:01
| えにっき風
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